同意しなくても同調する
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Question
相手が感情的になって怒っている場合「こちらは冷静に対応すること」と上司に教えられていたのですが、かえって炎上することが多いです。
Answer
相手がカンカンになって怒っている場合の最悪な初動対応は「それは何処で買われましたか」などと、沈着冷静に答えることです。そのような対応をすると、相手は、さらにカーっと頭に血が上り「何だ、その答え方は・・」と逆上してしまい、その後の対応が、非常に困難になります。
これは「何だ、こちらは頭にきてるのに、人ごとのような対応をしやがって・・」と、その事務的な、冷静な対応に怒ってしまうからです。
そのような場合、先ずは、相手を冷静にさせることです。相手が日本人であれば、まずは、相手のテンションに合わせて謝ることです。
例えば「〇〇を買ったのだが、故障して使えないではないか。どうなってんだ」と怒っている場合「えーっ!」と少し大袈裟に驚きます。
続けて「申し訳ありません。お怪我などはありませんでしたか」と謝りながら、相手のことを気遣います。
すると相手は「いや、怪我はしてないけどよ・・」と、少し冷静になってくれ「俺のことを心配してくれているのだ」と納得感が生じます。
これは「同意しなくても同調する」というクレイム処理における初動対応の鉄則と同じです。つまり、相手が感情的になって怒っている場合の初動対応は、相手のテンションに合わせる(同調する)ことが、重要なポイントになります。